最終更新日:2004/03/18

テレビゲームの無罪/有罪

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 「テレビゲームの影響で…」
 世の中が本当に変わったのか?

 ゲームと付き合ってきた「今まで」と
 ゲームの目指すべき「これから」を
 真剣に考えていこうと筆をとりました。

  ゲームの無罪 ゲームの有罪
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  ゲームの意図 ゲームの内容

 ゲームに対するいろいろなおもいを
 聞いてください。



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           〜 テレビゲームの無罪/有罪 〜

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 2004/03/18 vol.10
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 ゲームのしかけ その2           by大守哲哉
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 韓国でネットゲームにハマって抜け出せない人がいるということが
 社会問題とされている。
 また、ネットゲームのせいで、学生の学力が低下しているとまで
 言われているのだそうだ。

 日本でも十数年来、テレビゲームのせいで勉強をしない若者が増えた
 と言われてきた。

 テレビゲームが勉強にとりくむべき時間をうばっていることに違いは
 ないが、それはテレビゲームに限った問題ではない。
 テレビや映画、何らかの趣味や興味が、学校の用意したカリキュラムと
 常に若者たちの時間のシェア争いをしている。

 しかし、そういった要因を含みながらも「学力」は学生自身が向上させ
 るだろうし、人間は勉強したいと思えば放っておいても勉強する。

 教育改革によって、現場のシステムやカリキュラムなどが変化したこと
 も要因のひとつだろう。
 漢字の書き取りなどはワープロや携帯電話の普及などの要因もある。
 「学力」とひとくくりに話しても過去と現在では社会自体の変化もある
 ので表面的な評価だけでは問題の焦点を見誤ることになるだろう。


 つまり、学力の低下、勉強をしない学生が増えていることの原因は、
 「テレビゲームがあること」「ネットゲームがあること」ではない。

 学生たち若者が「勉強する必要を感じていない」ことの方が
 よほど問題なのだ。

 テレビゲームやネットゲームに夢中になりやすいのは、そういった
 「若者のやる気がない」実際には「やる気がないように見えている」
 ことと大きく関係している。
 これは「具体的な目標のないこと」や、親兄弟、親類などからの社会的な
 要求と若者本人の希望がマッチしていないことが原因となっていると
 考えられる。

 ゲームでは社会もその中での役割も、プレイヤーへの期待や要求もわかり
 やすく用意されている。
 ゲームの中で、仲間たちに望まれて社会的義務を果たすのが、気持ちが
 いいのはうなずける話だ。

 スタンドアローンのゲームとネットゲームではまるで違う。
 スタンドアローンのゲームはあくまで「ひとり上手のごっこ遊び」
 「妄想の中の刺激である」
 対して、ネットゲームは「公園で鬼ごっこや缶ケリをして多人数で遊ぶ」
 ようなものである。
 つまり、一定のルールの中で社会的にふるまう必要があるのだ。

 日本や韓国の都心の都会的な生活では、子ども達が社会性を身につける
 公園などの遊び場が本当に少ない。

 現代では「ゲームにハマる」ことが「学校から帰ってくるなり
 すぐ公園に飛び出していく」ことと変わらないのではないだろうか。

 日本では「ファンタシースターオンライン」のプレイヤーは中学生の世代が
 中心になっていると聞く。

 日本でも「ネットゲームのせいで…」といわれる日がすぐ来るだろう。
 プレイヤーたちが現実でも目的を見出せたり、自分の希望をうまく
 アピールできるような願いを込めることで、ネットゲームはその役割を
 果たせるのではないだろうか。

 「ネットゲームは子ども達の遊び場だ」と社会に胸を張って言える日が
 もうすぐ来るだろう。
 そういうことを創る側も意識する必要があるのではないか。

                            つづく
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 ◇今回のゲームの弁護

 「ゲームのせいで、学生の学力が低下している」ことについて、テレビゲーム
 が原因あるという嫌疑に関しては無罪を主張いたします。

 しかし、子供を含むプレイヤーたちをテレビ(ネット)ゲームが知らない間に
 大人社会と結び付けていることを意識し、その社会の秩序を守り、また作り上
 げる必要があります。
 特に常識的なプレイ時間について表記を行い、プレイヤーの健康や精神の健全
 を呼びかけたり、子供がプレイに参加していることを大人に喚起することは
 早急に行うべきかと思います。

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 ▼ やってみたネットゲーム
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 MU[ミュー 奇蹟の大地]
 http://www.muonline.jp/
 ここの課金システムはなかなか快適だと思いました。
 ゲームも面白いが、ゲーム中にやりとりされている会話が、社会人プレーヤー
 同士だと結構家庭の事情まで配慮しあったりして社会的なところもあります。
 実際プレイしてみて、昔テーブルトークを夢中でやっていたころの感覚が
 よみがえってしまいました。
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 ☆ 一年経過
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 このメルマガの初回発行から一年が経ちました。
 まったく手が進まず、まだ10稿目なのかと思うと恥ずかしいばかりです。
 この一年は電子商取引のしかけつくりの仕事をしていて、すっかりゲームから
 離れていたのですが、それだけにいろいろとわかったこともありました。
 ゲームが単に子供のおもちゃという位置づけに終わらないこと、
 どんなに古いものでもゲームの面白さは風化しないこと、
 そして、芸術大学で講義をさせていただいてゲームが表現の手段であることも
 改めてよくわかりました。
 聞いて知っていたことと、体験してわかったことでは重みが違います。
 後人にはもちろん、隣で走っている人や先輩にもこのおもいは伝えなくては
 ならないと思いました。
 もしよかったら、たまにしか書くことができませんが、これからもこのメルマガ
 を通じて、できるだけの人にこのおもいをリレーしていくことにご協力ください。 
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  発行開始  2003/03/05
  発行/編集 大守哲哉         http://www.up-stream.jp/
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