韓国のゲーム会社について

制作日:2001/05/30  最終更新日:2001/05/31


1月の末、正月が開けたばかりの韓国を訪れました。

ソウルは都心に人口が集中しているため、マンションが多く本当に
大都会という感じがしました。
街並みは東京や大阪、神戸に似たところがあり、歩いている人たちの
感じもそっくりなので、日本にいるのかと錯覚すらしてしまいます。

国策として普及したADSLがあるというだけでなく、パソコン自体の
の普及率も高いことからゲームはオンラインゲームが大流行です。
街を見まわせば、すぐ目に付く「PCバン」の看板。
店に入ってみると、正月開けとは言え平日の昼間でも、机の上に並べ
られたパソコンにかじりつくようにして遊んでいる人たちがいます。
中学生くらいの子供から大人まで、すべて男性でした。
すると、ひとりの警察官が入ってきて、巡回かと思ったら客として
プレイをはじめてしまう。よく見るとホルスターの中に拳銃がない!
着替えもしないで休憩中に来るとは…なんとも韓国のゲームに対する
情熱がうかがえるエピソードでした。

現地では”韓国ゲーム協会”とテクノマートビル内に巨大な施設を持つ
”財団法人ゲーム総合支援センター”などを見学しました。

韓国ゲーム協会はユーザーとメーカーをつなぐ事務的な役目を担って
いて、主に、”パワーユーザー”と呼ばれるゲームのファンサイトを
運営したりして、ゲームに対する意見などをとりまとめられる人たち
を活動をサポートしていました。
意見をまとめてメーカーに還元するという契約で、協会に登録した
会社から資金提供を受けたり、国からの支援で運営されています。

財団法人ゲーム総合支援センターはインキュベータ(保育器の意)の
言葉とおり、生まれたばかりのゲーム会社のために、場所と施設を
提供できるよう、日本の大手ゲームメーカーにもないような規模の
設備が用意されていました。
制作しているコンテンツの審査を受けて優秀なものを制作できる会社
は、家賃を免除されたりして、利益が出るまでセンター内の施設に
入居でき、施設内にあるモーションキャプチャースタジオや映画に
使われるほどの立体スキャナなどの設備を安価で使用できます。
国からの出資がとにかく巨額なので、巣立っていく会社も返金などは
一切必要ないそうです。
まったくうらやましい限りでした。

国策としてゲーム制作を支援するのには、これがアイデア(人材)から
大きな利益を出せることに着目したからだそうです。
つまり、ゲームの輸出によって外資を稼ぐのが目的です。

韓国国内のユーザーがゲームにかけるお金は決して多くなく、PCバン
も驚くほどの安さ(入った店では1時間約200円)のため、それほど
の利益が出ているようには感じませんでした。

あるオンラインゲームはPCバンと契約して、会費を徴収することで
利益を出そうとしたのですが、契約PCバンが高い会費を納めるため
利用料金を値上げしたためユーザーからクレームを受けたり、客離れ
がはじまったりで、結局PCバンとメーカーが会費のことでもめ始めた
という話も聞きました。

見学した韓国のゲームメーカーの人はやはりパッケージ販売が儲かる
ので海外にゲームを売るのが夢だと話していました。
そのために韓国のゲームメーカーは海外に支社を作るか、海外の会社と
合資会社を作りたいと思っています。

そのため、韓国と日本の中小企業のマッチングが行われる商談会など
には、たいてい韓国のゲーム会社が参加しています。
私はその話を聞いて、UP−STREAMを説明して、協力をお約束
して帰ってきました。

そして、今現在、その協力は成果に変わりつつあります。



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