あるインキュベート会社とのご縁から、関西で行われる日韓の ベンチャー商談会のご案内がいただけるようになった。 韓国でお約束したジョイントベンチャーさんの日本側の パートナー会社をご紹介いただいたのだ。 さっそく、5/17に大阪・難波の南海サウスタワーホテルで 行われた「日韓ベンチャー商談会」に参加させていただいた。 韓国側会社の代表や担当の方が来日され、通訳を介し、 または英語で対話して会社の説明と日本で望むビジネスの 話をした。 取材した数社が望むことの共通項は以下のようになる。 ゲームキャラ・ゲームシナリオ・企画、日本はトップである。 ぜひ、日本のヒットゲームのデザインを提供してほしい。 もしくは合資会社を作り、共同開発がしたい。 というものだ。 また、 日本はオンラインゲームに転換期を迎えている 7年間オンラインゲームを作っているノウハウと あわせればすごいものが作れるはず。 といっている会社もあった。 筆者はその通りだとも思うが、少し違和感も感じていた。 韓国のゲーム会社を取材するとKAIST(アメリカで 言うMIT)の名前を耳にする。 中核となるスタッフがKAISTの出身なのだそうだ。 これは「技術力がある」というイメージ宣伝になっている。 韓国・米国・中国人の混成スタッフの会社もあり、 その会社の場合は、見せていたただいたゲームの デモンストレーションに各国の知識やデザインがいい 具合にミックスされていることをうかがわせた。 しかし、そのほとんどがどのターゲットへ向けたゲーム なのかわからないほど大味なものなのだ。 日本のゲームの周到に練られたデザインは、パッケージ 志向でゲームを作ってきたからこ磨かれてきたものなの だと思う。 オンラインゲームはデータの更新にほとんど費用がかからない。 「売れなければ売れないで、手直しすればよい」 「不具合(バグ)が出たら出たで、手直しすればよい」 という”気”がうかがえてしまうのだ。 しかも、一部のメーカーにいたっては「ヒットゲームの移植なら 売れる」と言っているのだ。 (当然オリジナルのゲームを提示できるすばらしい会社もある) あえて苦言を呈するが、その要求こそが物語るように、 商品に対する責任感が軽いのではないか? と疑ってしまう。 日本には任天堂が育て上げたゲームに対する厳しい目がある。 現に任天堂のゲームソフトを作るためには企画段階でライセンス 審査を受けなくてはならないし、販売ラインにのるには更にクラブ のプレイ審査を受けなくてはならない。 さらにゲーム出荷前にランニングテストや綿密なテストプレイに よって、99%までフリーズバグなどがないように慎重に見極める。 日本のゲーム制作はとてもナーバスなものなのだ。 なぜ、優秀なゲーム企画、デザイン、プログラム、サウンドが 必要なのか? とうぜん、いちタイトルにかける「慎重さ」と「熱意」がそれだけ 深く、大きいのだ。 その情熱は今、目の前にいらっしゃる韓国のゲーム会社の 方々にあるのか…心配になってしまうのだ。 技術力をウリに日本の会社と仕事をするときに、後々障害と して出てきそうな意識の違いである。 私は韓国のゲーム会社の方々にとても期待している。 それだけに、気になって仕方がない。 本当に活き残る韓国のゲーム会社はいくつあるのか? 淘汰の時は迫っている気がする… |